プロジェクトマネジメントにおいて重要なことは、細かい作業項目を詰めることではなく、プロジェクトの開始から完了までを俯瞰することです。
プロジェクトをフェーズに分け、それぞれのフェーズごとに明確なゴール目標を定めます。
今回は、成功するためのプロジェクトマネジメントの「計画フェーズ」をご紹介いたします。
プロジェクトのフェーズ分け
- 計画フェーズ
- 要件定義フェーズ
- 設計・開発フェーズ
- テスト・移行フェーズ
- 運用・保守フェーズ
大切なのは5つに分けることではありません。
工程全体を俯瞰し、各工程に分解した上でその工程ごとに目的と成果物を明確にすることです。
プロジェクトの進め方によってはフェーズが3つになることもあるでしょうし、4つになることもあるでしょう。
一番大切なのはプロジェクトの進め方を関係者全員が理解し、合意の下に進めているかどうか、です。
今回は一番最初の「計画フェーズ」について解説します。
計画フェーズ
プロジェクトにおいて、初期段階で実現できることとできないことを明確にしておく必要があります。
曖昧なままスタートしたプロジェクトは必ず問題が発生します。
プロジェクトの目的の確認
まず最初に行うことはプロジェクトの概要を把握することです。
プロジェクトの目的は何なのか、いつまでに、何を行えばよいのか、などを十分に理解することが重要です。
この時点で曖昧な点があっては後続作業に問題を先送りすることになります。
曖昧な点は関係者に確認し、プロジェクト企画書を作成し、承認を得る必要があります。
→プロジェクト憲章
プロジェクト計画の作成
プロジェクト計画を作成するには多くのステップを踏む必要があります。
また、多くの関係者と密に連携を図りながら多くの決断をしていかなくてはなりません。また、その決断の根拠を求められることもあります。
以下にプロジェクト計画作成における代表的なステップを紹介します。
大切なのは工程が網羅されており、責任の所在が曖昧なものがないか、です。
- 要件ヒアリング
- スコープ定義
- システム化の方針検討(構築、体制、設計、運用、移行、テスト、育成、技術、調達)
- WBS作成
- 作業項目の洗出しと作業順序の確認
- 作業見積りとコストの見積り
- 体制
- 資源の調達(内部、外部)
- マネジメント
- 品質
- コミュニケーション
- リスク
プロジェクト計画の承認
プロジェクト計画が作成できたら、承認が必要です。
ここで承認がとれてはじめて、プロジェクトは正式にスタートできます。
全体の整合を確認しつつ、関係者に確認を取ります。
すべての関係者の利害が一致するわけではありません。
また、各部署から人員の調達が必要な場合には先に調整をしておく必要があります。
→プロジェクト計画書
プロジェクトのキックオフ
さいごに、プロジェクト計画書が完成した段階で関係者を集めてプロジェクト計画書の説明会を行います。
単なる儀式として行うのではなく、プロジェクト関係者に共通認識をもってもらうために非常に重要なイベントです。
責任者から現場のメンバーまで、関係者はすべて参加してもらうようにしましょう。
ここでの一体感がプロジェクトの成功にとって重要です。
プロジェクト計画の作成以上に、承認作業には非常に時間がかかるケースがあります。
大きなプロジェクトになると関係者が多くなり、利害の対立が起こりうるからです。
事前の調整はもちろんのこと、キーマンとなる人物を前もって押さえておき、いざとなったら力添えをもらうなどの対応が必要になることもあります。
まとめ
計画フェーズはプロジェクトの成否を決める上で非常に重要なフェーズです。
ここのフェーズで積み残した問題は、いつどのタイミングで発覚するかは分からないのです。
プロジェクトマネジメントにおいて、もっともコミュニケーションの重要性を実感するのもこのフェーズです。
コミュニケーションにおいて重要なことは「伝えた」かどうかではなく「伝わった」かどうかです。
そのためにはメンバーに対して一方的に話すのではなく、メンバーに多く話してもらい、メンバーの理解度を確認することも重要です。
次の記事では「要件定義フェーズ」についてご紹介いたします。ぜひ合わせてお読みくださいませ。
成功するためのプロジェクトマネジメント~要件定義フェーズ~