グループウェアという用語は比較的広く知られている用語だと思います。しかし、このグループウェアという用語は非常にあいまいな表現で、人によって解釈が変わりうるものなのではないでしょうか。
グループウェアの定義を明確にした上で、選定ポイントや導入する際のデメリットなどをご紹介していきます。
グループウェアとは?
グループウェアという用語について改めて調べてみると以下のように表現されています。
企業など組織内のコンピュータネットワークを活用した情報共有のためのシステムソフトウェアである。ネットワークに接続されたコンピュータ(のユーザー)同士で情報の交換や共有、またスケジュール管理等の業務に利用される様々な機能を通じて、業務の効率化を目指したものである。様々な機能が一つのシステムに統合されており、それらが有機的に結合しながらユーザにサービスを提供する。
ちょっと具体性に欠けて分かりづらいですね。つづけて、グループウェアに有する主な機能は以下のように紹介されています。
- 電子メール
- 会議室予約
- スケジュール管理
- ファイル共有
- ワークフロー
- 電子掲示板
似たような用語にコラボレーションツール、社内SNS、チャットツールなどがあります。今回はこれらの総称をグループウェアと表現します。
これらに該当する製品やサービスは数多く存在します。
これらの中から自社に適したものを選定する際、何を基準にすればよいのでしょうか。
簡単に手順をまとめたので、少し掘り下げて解説していきます。
グループウェアの選び方
導入の目的を明確に
まずはじめにやるべきことは現状の課題を整理することです。すべての課題を解決することは難しいと思いますが、それら課題に優先順位を設けることが重要です。
例えば以下のような課題が考えられます。
- 作業ミスを減らしたい
- 情報伝達ミスを減らしたい
- 属人化している業務を標準化したい
- 社内で利用されているさまざまなツールを統合したい
- コスト削減したい
- シャドウITを撲滅したい
- 現行業務を標準化するだけでなく、今後の拡張性を持たせたい
利用範囲を明確に
次に対象となる範囲を明確にします。
全社展開するのか、それとも特定の部署に部分導入するのか、最終的には全社展開するが徐々に利用範囲を広げていくのか、それによって導入の進め方も変わってきます。
例えば大きく分けると以下のような範囲が考えられます。
- グループ会社全体に導入する
- 単一の会社全体に導入する
- 特定の部署やプロジェクトに導入する
導入におけるデメリットを明確にし、対処する方針を決める
何か新しいことをする上では必ずトレードオフ(デメリット)が発生します。そのデメリットを見ないフリをして先に進めるわけにはいきません。デメリットを凌駕するだけのメリットがあることを確認すること、デメリットを最小化するための方針を決めておくこと、が重要です。
代表的な例は以下の通りです。
- コストが発生する
⇨一般的にアカウント単位に課金されるサービスが多いため、利用範囲が決まればコストは明確になります。コストに見合ったメリットがあるのかを検討する必要があります。 - 属人的業務を標準化した結果、不便になる業務がある
⇨本来の目的に沿って、標準化すべきか従来業務を残すべきか決める必要があります。思い切って従来業務を残す決断をすることで、導入の難易度を下げることにもつなげることができます。
その他の選定ポイント
実現したいことに優先順位を決める
多くの機能を有しているとはいえ、すべてを満たしてくれるものはありません。優先順位の高いものから実現していきましょう。
クラウド型サービスの導入
サーバー管理などの負荷を軽減したいのであればクラウド型のサービスを利用することを推奨します。
Windowsでの利用かMacでの利用か、スマホやタブレットでの利用想定があるか
最近はマルチプラットフォームが主流なので問題ないものが多いですが、事前に確認するようにしましょう。
速度
利用者数や利用時間によって極端に速度が遅くなるケースがないか、とくに出退勤時間や昼休み等にアクセスが集中するようなケースを具体的に想定しておく必要があります。
操作性
パソコン操作に不慣れな方でも扱いやすい画面になっているか。導入した後に問合せ対応に追われることがないよう注意する必要があります。
将来的な拡張性
導入した直後はよくても業態の変化や規模の拡大、時代の変化によってすぐに陳腐化していきます。急成長している会社の場合、将来的な拡張性まで見据えて選定する必要があります。
複数のサービスの組合せ
どうしても複雑な業務を実現する必要がある場合、複数のサービスの組合せによる実現も検討する必要があります。ただし、保守や管理が複雑になる場合があります。本来の目的から外れた決断にならないよう注意が必要です。
サポート、アフターフォロー
困ったときのサポート内容が十分か。万全のサポート(24時間365日対応)を求める場合、サポート費用が高くなることも考えられます。選定の段階から方針を決めておく必要があります。
いかがでしたでしょうか。
グループウェアの選定における代表的なポイントをリストアップしてみましたが、業種や規模、現在利用されているシステムによっては考慮すべきポイントが多岐にわたることも考えられます。
自社の情報を整理することはできても、各ベンダーからの情報収集には多大なコストが発生します。専門家をうまく活用して効率的に選定を進めていくのも一つの方法かもしれません。
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