「コネクテッドカー」という言葉をご存知でしょうか。
「ネットにつながる車」のことです。
今までもカーナビのような通信の出来る機器はありましたが、無線通信の発達やスマートフォンでの機能代替などによって、より多くのことが出来るようになりました。
セキュリティ対策として、車の異常をメールでお知らせしてくれる機能もその中の一つです。
コネクテッドカー
コネクテッドカーとは冒頭でお伝えした通り、インターネットにつながる車のことです。センサー等で取得した情報を、ネットを介して蓄積・分析することで様々なことに活用することが期待されています。
後述する「テレマティクサービス」もその機能の一つで、地図・天気・保険等幅広く活用されます。
なお、セキュリティ面に関しても従来のアラームを付ける対策だけではなくなっています。
一方、よく耳にする「スマートカー」とは、ソフトウェアを用いて安全性能や走行性能を高めた車のことで、機能面で連動するものがあるため、しばしば混同して使われることがありますが、厳密に言えばコネクテッドカーとは別の意味の言葉です。
注目の機能
eCall(自動緊急通報システム)
これは車に搭載されているセンサーが衝撃や異常を検知すると、自動で警察や消防に通報するシステムです。
このシステムによって事故の際に運転していた本人や同乗者が通報出来ない場合に備えることができます。
車が頻繁に通る道であれば誰かが通報してくれる可能性がありますが、そうでない場合は通報するまでに時間がかかってしまいます。
その対策に大きな効果を発揮します。
欧州では2018年3月31日より車への搭載が義務化されました。
テレマティクス
テレマティクスとは「テレコミュニケーション(電気通信)」と「インフォマティクス(情報学)」からなる造語です。
通信システムを搭載したカーナビなどのことで、それにより様々なサービスを提供することが可能になりました。
「カーナビが古くて道路が変わっている」などの経験はありませんか?
テレマティクスが導入されていれば常に最新の情報に更新されるので同様のことは起こらなくなり、渋滞や向かう先の天気の情報などもリアルタイムで取得することが可能です。
セキュリティ対策機能
車上荒らしや車の盗難は現在も多発しており、車を所有する限りセキュリティ対策を考えなければいけません。
コネクテッドカーで期待されるセキュリティ機能として、アラームが作動した際に、所有者へのメール・電話での通知や、オペレーターによる位置確認、警備員派遣まで一括した対応が可能です。
国内での動き
国内での市場規模は2016年で3,980億円、2025年には2兆円規模になると予測されています。
今後さらなる期待をされているコネクテッドカー市場ですが、上で説明したようなサービスをすでにトヨタが2014年から「T-Connect」として展開しており、今年の6月に発売した一部モデルへの車載通信機の標準搭載や、9月からT-Connectナビの新モデルの発売など、コネクテッドカーの本格展開を開始しています。
まとめ
車のセキュリティ対策としてアラームを設置するだけの時代は終わりを迎えようとしています。
カーコネクティングの標準化によって、アラーム検知と同時にメールや電話での連絡が当たり前になります。
そして、その他の様々な機能の恩恵も受けることになり、さらなる車の活用が期待されます。
大切な個人の資産、会社の資産を守るセキュリティ対策の一環としてだけではなく、大きな一つの市場としても展開していくことが予想されますので、今後の動向に注目することをおすすめいたします。
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