RPA導入企業の半数近くが業務の完全自動化を実現

RPA導入企業の半数近くが業務の完全自動化を実現

2018年3月12日、アビームコンサルティングが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の将来像や日本企業にもたらす可能性について発表会を開催した。
同社は、RPA導入企業の実態把握を目的に、一般社団法人「日本RPA協会」と共同で定期的に調査を行っている。今回の調査は、2017年10月~12月にかけて、97件のRPAロボット導入実績、1207件のRPAに関する問い合わせが集計されている。
同社の戦略ビジネスユニット 執行役員プリンシパル 安部慶喜氏は、「RPAの導入件数についてここ1年間の推移を見ていくと、2017年上期は月に約35件のペースだったが、下期は月に約40件のペースで増えていっている。
2018年12月までに1000件は軽く超えると考えているが、これは日本RPA協会と当社の合計値だけなので、日本全体では2000件~3000件に増えるのではないだろうか」と、RPAの導入がますます加速すると予測。
「直近の6カ月ではメーカーやサービス業からの問い合わせが多く、直近3カ月の導入企業を見ていくと、メーカーの割合が42%から60%と18ポイントも上昇している。
細かく見ていくと、特に中堅企業がRPAの導入を進めている傾向にあり、幅広い業種にRPAの導入が広まっている。また、ロボット数で業務別の導入実績を見ていくと、フロントオフィスやバックオフィスを問わず、幅広い業務におよんでいるのが分かる」(安部氏)
さらに安部氏は、「RPAを導入した企業の97%が5割以上の業務工数削減を実現しており、47%が完全自動化を達成している。
業務ヒアリングから導入完了までの期間で最も多かったのは4週間以内(47%)で、半年前の約80%から減っているが、これはRPAの本格導入で何百体のロボットを作ったり、プロジェクトの規模も大きくなって高度なロボットを作っていたりすることの影響だろう」と調査結果について語った。

先進企業は次世代型デジタルレイバーの導入に進む

上記の現状を踏まえ、RPAの進化=次世代型デジタルレイバーをどのように見ているのだろうか。
安部氏は「長期的な展望を含めて進化の段階を5つに分けると、今はステージ1のベーシック段階であり、Excelマクロがアプリを飛び出してPC全体の操作を行えるようになったイメージだ。
次のステージ2は、紙や画像処理などアナログ情報をデジタル化して仕事に利用するもので、PC上の定型業務からの解放となる。
いくつかの先進的な企業が実用化している段階だ。ステージ3はAIが意志決定できるようになる段階で、ステージ4はAIが人間と同じことができるようなイメージだが、まだ世の中に存在していない」と展望する。
「今注目されているのはステージ2のコグニティブで、非構造化データの種類としては、画像/動画、音声、紙に分類される。特に日本企業は欧米に比べて紙の利用が多く、効率化のニーズが強いところだ。
OCRといった技術自体は昔から存在していたが、なぜ今になって注目されるようになったのかというと、RPAと組み合わせることで紙媒体のデータを社内のさまざまのシステムとつなげられるようになったからだ」とし、紙や画像以外では、音声で指示を出してロボットを操作できないかという問い合わせも出てきていると安部氏は説明する。
「非定型業務を分解すると、実はほとんどが説明できる定型業務というケースが多く、RPAにできない業務はないといえる。将来の仮説としては、RPAを導入するのは業務のデジタル化の第一歩にあたり、取り組む企業と見送る企業でどんどん差が広がっていき、デジタル企業とアナログ企業の差はより顕著になっていく。
RPAの導入でコストが削減できる分、それを新しい分野に投入できるわけで、その差はそれこそ10倍~100倍と加速度的に広がっていくのではないか、というのが私の見解だ」(安部氏)

出展: ITmedia
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