使っているけどよく知らないセキュリティ対策~パソコンとバイオメトリクス認証~

「バイオメトリクス認証(生体認証)」という言葉をご存知でしょうか。

昨今の日本では、銀行での取引やパソコン・スマートフォンなどにも指紋認証や静脈認証が導入されているので、目にする機会や使用している方も多いかもしれません。

今回は、身近になったバイオメトリクス認証とはそもそも何を差すのか、どのような効果が期待出来るのかなど、基本的な情報を中心にお伝えします。

バイオメトリクス認証とは

バイオメトリクス認証(生体認証)とは、人間の固有の特徴をデータ化し、認証に用いることを言います。

具体的にいえば、指紋認証、静脈認証、虹彩認証、声紋認証などが該当します。本人しか持たない特徴で認証をすることで、他人のなりすましの可能性を低くすることができ、金融関係や入国審査等を中心に広がりを見せています。

近年ではパソコンやスマートフォンなどのモバイル端末にも導入され、より身近に使用する機会が増えています。スパイ映画でよく目にする、セキュリティゲートを目(虹彩)で開けるのもバイオメトリクス認証の一つです。

バイオメトリクス認証の歴史

バイオメトリクス認証は古くから存在し、拇印や掌紋を押す習慣は現在の指紋・掌紋認証、お尋ね者の似顔を貼りだすことは顔認証だと言えるでしょう。

1880年頃には指紋が一人一人違うという事実が明らかにされました。日本では1971年に警視庁がコンピュータによる指紋鑑定をはじめ、その後さまざまな技術革新が進んだ結果、今日の普及に至ります。

多くのソリューションが展開され、目覚ましい進歩を遂げている技術ではありますが、その概念は古くから私たちの身近にありました。

バイオメトリクス認証のメリット

さて、「認証方法には他にどのようなものがありますか?」と聞かれたら、みなさまは何を思い浮かべるでしょうか。

もっとも一般的に普及しているのは「パスワード認証」ではないでしょうか。パソコンやスマートフォン、銀行・ATMなどでパスワードを入力しない日はないというくらいパスワード認証が一般的です。

しかし、多くのパスワードを覚えなくてはいけない、パスワードが漏れてしまったら代わりにログインされてしまうことが懸念点としてあげられます。その点、バイオメトリクス認証であれば、パスワードを覚える必要はありませんし、体の一部を使って認証するため、本人でなければ認証が出来ないことで、パスワードが漏れてログインされるという被害はなくなります。

セキュリティの意識が社会的に高まりあらゆる場面で認証が求められるようになればなるほど、バイオメトリクス認証にするメリットは大きくなります。

バイオメトリクス認証の注意点

ここまで、今後の認証技術の中心になることが予想されるバイオメトリクス認証についてお伝えしてきましたが、使用する上で気を付けなければいけない点もあります。それは、「認証に幅がある」点です。

バイオメトリクス認証は基本的に初期設定段階で、サンプルとなるデータを取得し、そのデータと比較することで認証を実施します。しかし、人間の体は様々な条件により変化する場合があるので、ある程度の幅を持たせておく必要が出てくるのです(指紋合致率97%以上で認証成功など)。そのため、本人でなくても認証が成功してしまう可能性がゼロではなく、セキュリティを高めるためには、他の方法と組み合わせて認証することなども考慮する必要があるでしょう。

まとめ

お伝えしたように、ユーザーにとっては複雑なパスワードをたくさん覚える必要もなく、セキュリティを高める効果も期待出来ることから、今後ますますバイオメトリクス認証が導入されていくことが予想されます。

しかし、どんなに高度な認証方法を用いていても、悪意をもった人は、あらゆる方法で抜け道を探し出します。

バイオメトリクス認証だから何の問題もないと思うことなく、認証を複合させるなど、常にセキュリティを高める意識を持ち続けて運用されることをおすすめいたします。